プーログ

ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由な生き方を提案

連載⑤40代妻子持ちが脱サラ生活へ 経営者たちとの再会 

再開したメンバーは全員経営者。ある意味で自由な人たちばかりだ

 厳しい修行生活から1か月。

同室のメンバーと再会したのは、都市部のど真ん中にある、某デザイン事務所だ。

 

ジャージ姿の印象しかなかった同事務所代表のいでたちに、少し気圧された。

 

イタリア製っぽい白の開襟シャツでびしっとキメて、嫌味のない「おしゃれオーラ」をまとっている。

 

「あれれ、すごい人だったの?」

 

一番乗りの僕に続き、工場経営者やカフェ経営者らが集まってきた。

 

「久しぶり!元気してた?」

 

このおじさんたちの装いは、ジャージ姿とあまり大差ない。

 

笑顔で握手を交わし、ベージュの円卓を囲む。

 

思い出話に花を咲かせるつもりできた僕を視界の外に追いやって、ビジネスチャンスを探るおじさんたちの会話が始まった。

 

そう、無職の僕を除いて全員が経営者なのだ。

 

 

コピーライターへの道

 

コーヒーをすすりながらしょげる僕に、事務所代表のAさんが気を利かせ、話を振った。

 

A :「文章を書くスキルがあるのなら、今度立ち上げる陶芸サイトのコピーでも書いてみる?」

 

僕 :「え、コピーですか?そんなの書いたことないですし、お茶碗とかの知識も持ち合わせていませんので…」

 

気の弱さがたたり、せっかくのチャンスをフイにしてしまった。

 

僕は本当に馬鹿である。

 

山を下りて以来、座禅も三日坊主で終わってしまっている。

 

自分の情けなさを悔いながら、帰路、これからについて考えた。

 

あまり才能はないものの、文章を書く仕事に就いていたのは事実だ。

 

「この分野で仕事を探すのが、確かに近道かもしれない」

 

これをきっかけに、コピーライターの世界を少し勉強してみた。

 

2、3冊本を読んだだけだが、コピーの仕事は確かに面白そうだった。

 

 

言葉の力が生む「付加価値」

 

コピーは、ゴロのよさやスマートさを追う「言葉遊び」の世界ではなかった。

 

ターゲットとなるお客さんを明確にイメージし、そのニーズとともに競合する製品の特徴を徹底的に調べ上げ、商品の持つポテンシャルを「文章で伝える力」をもって最大限に引き出す作業だ。

 

凄腕のコピーライターになると、商品の訴求ポイントを新たに自分でみつけてしまう。

 

つまり、開発の意図を超え、もっと大きな値打ちを生み出してしまうのだ。

 

例えば、エジソンの蓄音機。もともと遺言を残す装置を想定して開発された蓄音機は、コピーライターの力によって「音楽を再生する商品」に生まれ変わり、巨大な市場を創出した。

 

これには、目からうろこが落ちた。

 

 

独立後に「億万長者」も

 

コピーライターには、マーケティングの知識や時代の空気を読む力なども求められる。

 

少し関係が複雑になるが、妻の友達のお姉さんの旦那のお父さんは、大手広告代理店から独立し、億万長者になって引退したという。

 

ただ、メーカー側はそれ以上の利益を享受したに違いない。

 

「コピーってすごい!」

 

どこまでも単純な僕は、生きていく道の一つに、コピーライターという選択肢を新たに加えた。

連載⑥ハローワークへに続く