プーログ

ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

仕事を辞めるとカモられる!?<40代脱サラ体験談>夢の世界に潜む罠

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仕事を辞めると、そこに待つのは「自由への開放感」と「新しい人生への不安」が渦巻く生々しい世界です。

 

そんな新天地に足を踏み入れたとき、特に注意が必要なのは、転職ではなく脱サラ・独立を目指す人

 

勢いで会社を飛び出してしまった方にも言えることですが、必ず「新参者をエサにする飢えた狼」に狙われることになります。

 

収入源を探すプロセスの中で、ガラクタの眠る「宝の地図」を売りつけられたり、小麦でできた「不老長寿の妙薬」の販売ビジネスを持ち掛けられたり…。

 

今回、僕がこんな話を書こうと思った理由は何か。

 

それは、僕のところにもそんな馬鹿げた儲け話が舞い込んできたからです。

 

商材は、体内に溜まった放射能を除去する「キノコのお茶」でした。

 

さいわい、錯乱状態にない僕は「これでもか」というぐらい丁重にお断りしましたが、甘い儲け話に対する注意喚起の意味を込めて、その顛末(てんまつ)をまとめました。

 

 

弱る人を狙い撃ち 甘い儲け話にご注意を

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改めまして。

 

管理人のプーです。

 

プーログは、2018年に仕事を辞めた僕が、収入源の確保を模索するプロセスについて、リアルタイムで公開するブログです。

 

ちなみに僕は、妻子持ちの40代です。

 

もちろん、プーログに情報商材を売り込む意図は一切ありませんので、安心してお読みいただけるものと思われます。

 

 

さて、今回の儲け話を僕のもとに持ち込んだのは、50代半ばの経営者で、マッサージ店を営むEさんです。

 

この方とは友人を介して知り合いました。

 

いかがわしさがない、といえば嘘になりますが、何冊か本も出しているような、なかなか立派な方です。

 

ただ、経営も少し行き詰り、僕と同じく起死回生の手段を模索するさなかにあるようです。

 

 

 ときは2018年8月下旬――。

 

この日、「ちょっと相談がある」との連絡を受けた僕は、某所からはるばる電車を乗り継いで、Eさんのお店を訪ねました。

 

応接室のソファーに腰を掛け、呼び出しの用件を尋ねたところ、Eさんは「ガイガーカウンター放射線測定器)を探している」と話を切り出しました。

 

いわく「日本の近海でとれる魚はすべて放射能に汚染されていて、これを知らずに食べている国民は皆、深刻な放射線被害にあっている」そうです。

 

僕は「ヨドバシカメラに売っている」と親切に教えて差し上げたのですが、Eさんは「日本の放射線測定器は、事実をひた隠しにする政府によって、数値が上がらないように巧妙に操作されている」と席を立たせてくれません。

 

日本の海産物がすべて放射性物質で汚染されているかどうかはこの際別にして、「まずは市販の計測器がきちんと反応するかどうかを試すべき」と訴える僕。

 

これに対し、Eさんは「ロシア製はきちんと反応する」と腕組みを続けるばかりで、まるで話がかみ合いません。

 

いぶかしく思ったところで、件のお茶の登場です。

 

「白樺って、知ってるか?」

 

 頭の曇り 正体は「焦り」

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これ以上、当日の詳細なやり取りを書いても不毛だとは思いますが、最後にEさんの殺し文句だけ。

 

「目の前で放射線測定器を使い、その事実を客に知らせたら一発だ。俺が卸してやる。大儲けできるし、人助けにもなるぞ」。

 

 

僕は決してEさんを馬鹿にしたいわけではありません。

 

お金にまつわる焦燥感は、得てして人の思考を曇らせる点を強調したいだけです

 

 

不安な自分が、不安な誰かを食い物にする――。

 

 

お金への渇望に心が支配されると、フリーな人間の間では、こんな凄惨な食物連鎖がまかり通ってしまいます。

 

地獄から天国へと続く幻想の階段にすがるあまり、当然見えるはずの「理屈の破綻」も、無意識に見ないようにしてしまうわけです。

 

 

自分は引っかからない?

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「こんな馬鹿げた話にひっかかるわけがない」と思われた方。

 

焦りからくるお金への渇望を侮ることなかれ

 

なんだか公共広告機構のCM然としてきましたが、ピンチの中に一筋の光が差し込むと、得てして人はそれに飛びつきたくなるものです。

 

焦りまくりの自分自身はもちろん、聡明な友人・知人が甘い儲け話にすがってしまい、無残に散っていくのを「嫌」というほど見てきました。

 

 

カモがカモを探す

特に、不安や恐怖、焦りで頭の中がいっぱいになった人は、カモられがちになり、また、カモを探しがちになります。

 

さらに厄介なのは、人を食い物にする行為を正当化したいがあまり、無意識かつ自分の中だけで、売り込みたい商品・サービスの価値を極限まで肥大化させてしまうパターンです。

 

これが度を超えてしまうと、お金と時間の浪費にとどまらず、大切な友人を失ってしまうケースもままあります。

 

 きっとEさんは、白樺に生えるキノコで作るお茶に、「3万円」という売値以上の価値を見いだしたに違いありません。

 

そして、放射能汚染の地獄から国民を救う大きな使命の対価として、大金持ちになる夢を描いているのでしょう。

 

そもそも、放射線被害に心配を寄せる人らを食い物にするビジネスなど「もってのほか」だと思いますが、始末の悪いことに、Eさんはそのあたりも含めて一切見えなくなっているのです。

 

実際このお茶は、ネットで2000円前後で売られています。

 

 

スマートに成功し、お金持ちになって遊んで暮らす世界は素晴らしいのでしょうが、最短距離での実現をうたうビジネスや情報商材ほど、いい加減なものはありません。

 

大切なのは、「鵜呑みにしない」「すがらない」といったところでしょうか。

 

甘い儲け話が舞い込んできたときには、「キノコのお茶」のエピソードを思い出し、どうか一呼吸置いてください。

 

 

長文ながら、最後までお読みいただき、ありがとうございました。