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ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

『不登校』の実態と支援のお仕事/40代脱サラ男が重い腰上げる

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2年ほど前、20年続けた会社をおもむろに辞め、自由な生き方を模索してきた僕ですが、この間、独自で収入源を確保する試みを続けてきました。

 

物販などをかじった時期もありますが、いまは家でひたすら原稿を書いています。

 

ただ、こうして自宅にこもってコソコソと記事を書くだけの日常を送っていると、外部の人と接する機会が極端に乏しくなり、視野もチャンスも人脈も、一向に広がらない状況に陥りがちに。

 

自堕落な生活がたたり、フットワークの軽さも完全に失ってしまいました。

 

半分引きこもりのような状況は、「楽でいい」という面もありますが、結構な苦痛を伴うのも事実です。

 

そこで、少し目先を変えて、今後の人生の糧になり、人様のお役にも立てるようなバイトがないか、少し調べてみることに。

 

そうしたなかでピンときたのが、今回のテーマ「不登校支援協力」というお仕事です。

 

週3回程度、1日3~6時間という条件も僕のライフスタイルに合っています。

 

仮に宝くじが当たった後でもやってみたい――。

 

そんなわけで、僕は圧迫骨折から復活した「重い腰」を上げ、早速、具体的な話を聞きにハローワークに出向きました。

 

今回はその顛末についてご報告します。

 

 

2人の子供が不登校

僕がこの仕事に強い興味を感じたきっかけは、最近、不登校の子を持つ妻の友人から聞いた話です。

 

妻の友人には2人の子供がいて、一人は中学生、もうひとりは小学生。

 

プライバシーの関係上、少しぼかして書きますが、いずれの子供もほぼ同時期に不登校になったそうです。

 

僕ら世代の言葉で言うと「登校拒否」というやつです。

 

 

中学生の子供は、友人とのトラブルが引き金になったようですが、小学生の子が不登校になった理由は曖昧ではっきりしません。

 

どうも「不安」や「コンプレックス」などにあるようですが、みずから命を絶とうとするほど、事態は深刻化しています。

 

相談に乗った妻が「そこでまで無理して学校に行かせる必要って本当にあるの?」と素朴な疑問をぶつけたところ、くだんの友人は「この言葉に救われた」と涙を流していました。

 

 

登校ありきの説得 行くも行かぬも地獄

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文部科学省が2017年度に実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(最新データ)によると、不登校にあえぐ小中学生は約14万人に上ります。

 

こんなに大勢の子供と親が、日々悶絶しているのには驚きました。

 

実際、不登校をテーマにするテレビ番組では、「登校ありき」の周囲の説得に苦しむ子どもの実態が浮き彫りになっていました。

 

また学者先生のまとめたレポートによると、不登校の理由は千差万別のようで、大きく分けると小学生は「不安」、中学生は「友人関係」に集中しているようでした。

 

最近では国としても「行きたくても心が付いてこない子供たち」の存在を認め、教育の機会を別枠で設ける方向に話が進んでいるそうです。

 

義務教育の「義務」というのも、ニュアンスとしては「親側に課せられた約束事」のようなもので、子供に等しく通学を強要することはなさそうです。

 

 

イレギュラーな人生経験

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僕は家庭環境こそ複雑ではありませんでしたが、「イレギュラーなところでの人生経験」は結構豊富です。

 

難病を患ったり、バングラディッシュで死にかけたり、20年勤めた会社を突然辞めてみたり、クラスでボッチになったり。

 

記者時代には、社会の内幕にある「明・暗」をたくさん見聞きしてきました。

 

「合法的な毒饅頭」も胸やけを起こすほど食べてきました。

 

こうして振り返ると、本当にロクな思い出がありませんが、人生プラスマイナスでバランスしているようで、結果的に「それなりに幸せな人生」を送っています。

 

ジグザグに生きてきた僕だからこそ、どこかで上手く波長が合えば、苦しむ子どもたちの理解者になれるかもなれない――。

 

そう考えて先日、久しぶりにハローワークへと足を運んだ次第です。

 

 

ハローワークで「好奇の目」

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当日、下の子が通う幼稚園のお休みと重なったこともあり、ハローワークには子連れで出向きました。

 

ハローワークでは珍しい「父子」とあって、皆がチラ見していきます。

 

周囲からた僕らは、とても不幸な親子に映っていたのかもしれません

 

 

僕:「ほら、早く『父ちゃんひもじいよぅ』と言いなさい」

 

息子:「嫌。それよりスマホ貸して。動画見ていい?」

 

 

妻と職を同時に失った人からすれば、こうした好奇の目は、きっと不快以外の何物でもないはずです。

 

「同情するなら金をくれ」

 

昔、そんな言葉が流行りましたが、多くの人のチラ見は、まさにそんな心境にさせられてしまいます。

 

とはいえ、僕も立場が変われば、父子でハローワークに訪ねてきた人に対して、そうした視線を送ってしまうかもしれません。 

 

 

この日の収穫は…

そんなとりとめもない思いを巡らせ、発券機から番号札を引き抜き、待つこと約10分――。

 

担当してくれたのは、奇しくも2年前にお世話になった方。

 

どうやら、僕のことを覚えていてくれたようでした。

 

迷子にならぬようにと、息子は相談カウンターに横付けされたパイプ椅子に座らされ、音声の消えた動画を大人しく見ています。

 

挨拶もそこそこに、僕は早速要件を切り出しました。

 

 

僕:「あの、不登校支援に協力するというお仕事があるようなのですが、少し詳細をお聞かせいただけませんか」

 

職員:「え、何ですかそれ…」

 

 

この手の仕事はまだ緒についたばかりのようで、認知度が低く、求人は地域全体でも数えるほどしかありません。

 

キーワード検索をかけてもらった結果、求人は民間からもあり、トータルで4件程度。

 

時給は900円~1000円程度と、最低賃金と同水準ですが、生活費の足しぐらいにはなりそうです。

 

ただ残念ながら、僕の住むエリアでの求人はみつかりませんでした。

 

 

自治体への問い合わせ

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今度はダメもとで、直接自治体に問い合わせてみることに。

 

体制面の話から時給の詳細に至るまで、くどくどと聞いてみて、ようやく「不登校支援への協力」というお仕事の輪郭をつかむことができました。

 

 

体制

お仕事の依頼主は、地域の教育委員会

 

僕が暮らす地域の場合、協力者は登録制になっていて、小中学校の要請に応じて派遣する仕組みになっています。

 

そのため、必ずお仕事が回ってくるとは限りません。

 

仕事の内容

お仕事の具体的な中身については、学校校側が決めているのだそう。

 

担当の教員や校長先生からの指示を受け、朝のお迎え、学校施設内での声掛けなどを行います。

 

ちなみに資格は不要で、勉強は専属の教員が教えるのだとか。

 

 

時給と求人

時給は900円程度と、やはり地域の最低賃金の水準。

 

どうひいき目にみても「割のいいバイト」ではありません。

 

登録者の数は現状6人で、これは過不足のないバランスの取れた状態だそう。

 

求人募集というルート以外にも、一部「学校側の推薦」で選ばれた方もいます。

 

また何年も続けるベテランの人もいれば、体調不良を理由に途中でやめてしまう人もあるそうです。

 

 

そして肝心の「新規登録」については、年度末に募集をかけるとのことで、残念ながら期待の「急募」はありませんでした…。

 

ただ、3月末にも募集が始まります。 

 

売り手市場のうちに

この1年、在宅ワーク固執気味になっていましたが、今回の一件で、ライフスタイルや自分の人生観などに応じて外の仕事を覗いてみるのもひとつの手だと感じました。

 

視野、人脈、チャンスが広げるのはもちろん、確実に得られる一定の収入が安心感を生むはずです。

 

2019年12月時点の有効求人倍率は全国ベースで1・6倍を超え、まだまだ高い水準。

 

売り手市場であるうちに、自分のスタイルに合ったレアな仕事を探しておくのも悪くなさそうです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。