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ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

連載⑥40代妻子持ちが脱サラ生活へ ハローワーク

仕事は選ばねばいくらでもある。心にゆとりのある人生を

退職届を提出してから半年。

 

コピーライターへの淡く浅はかな夢は、いつしかの忘却の彼方へ消えゆき、雀の涙ほどの退職金が容赦なく減り続ける。

 

兵糧攻めほど、恐ろしいものはない。

 

僕が自己都合で職を失って以来、妻は保母さんのパートに出ているが、賃金の低さは社会問題になるほどだ。

 

時間の問題とまではいかないものの、貯金が底をつく事態がここにきて、現実味を帯びてきた。

 

いま思えば「どうってことない」のだ、当時の僕は周囲の目を気にして、少し焦っていたのだ。

 

 

公共職業安定所へ アンバランスな求人に救い?

 

僕は、夫婦喧嘩の諸悪の根源「ニンテンドー3DS」の処分を妻に託し、一度、ハローワークで仕事を探してみることにした。

 

1週間で20時間未満、かつ1日3時間以内なら、受給資格を失わずに済む――。

 

急場をしのぐべく、この条件にあうバイトを探す方法もないわけではないが、それでは根本的な問題の解決策にならない。

 

道に迷う僕は、藁にも縋る思いで再びハローワークの門を叩いた。

 

失業保険の受給資格を申請し、説明会に出席して以来のことだった。

 

早速、職員の人に求人の現状を訪ねてみると、「保安」と「介護」の仕事がいわゆる買い手市場になっていて、逆に最も人気の高い売り手市場が「事務職」だという。

 

全国の有効求人倍率(29年9月)は、保安が7倍以上、事務職が0・5倍以下。

 

介護職は3.7倍だった。

 

僕は学生の時分、老人ホーム(ミドルステイ)でのバイト経験があるのだが、保育士同様、とにかく「割の悪い」職場だ。

 

「神風特攻隊」の生き残りの人から話を聞くなど、本当にいい勉強をたくさんさせて頂いたが、軽い気持ちで続く仕事ではない。

 

戦後復興の功労者を支える仕事だけに、この労働条件の悪さは何とかならないかと思う。

 

そもそも、僕のような仕事からあぶれた者のセーフティーネットではないのだ。

 

 

人気の事務職は運頼み?

 

職員の人いわく、逆に人気の事務職は「募集のタイミングが重要な要素になる」と教えてくれた。

 

何のことはない、要するに「運」ということだ。

 

僕のような三流大卒の40男は、とりわけ条件が厳しくなる。

 

薄々は気づいていたものの、レールから外れた者に世間は甘くない。

 

もとより、「総務」「経理」などの仕事は僕にまったく向いていないし、お役に立てるスキルも資格も持ち合わせていない。

 

自慢ではないが、僕は「Excel」すら満足に使えないのだ。(さすがに最近は少し勉強をしている)

 

 

脱サラ後は「神様」のそば?

 

どこまでいっても競争、競争の社会に少しうんざりしつつ、「神社」「寺」など、マニアックな求人を調べてもらった。

 

決してふざけているわけではない。

 

昔「お坊さんになる」と予言された期待とともに、競争の少なさに目をつけたのだ。

 

職員の人は「え?」とあるまじき戸惑いの表情を浮かべながらも、自席のパソコンのキーボードを叩いてくれた。

 

職員:「…」

僕 :「…」

 

残念ながら、僕の住む地域での募集は1件もヒットしなかったようだ。

 

連載⑦ビッグビジネスへの誘い