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ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

連載㉖40代妻子持ちが脱サラ生活へ 中国ビジネスでの大失敗(2)

この連載は2017年に脱サラして無職になった僕の歩みをまとめています。この体験談はリアルタイムにまだ追いついていません。

脱サラして無職になった僕が生きる道を見出そうとした店舗は悪質な犯罪行為を受けて潰されてしまった

中国人セラーからの脅迫文が届いた翌日、他の出品者からも同様の「脅し」を受けた。

 

こちらの方がまだ理路整然としたクレームだったのだが、相手の素性を調べていると、また中国系セラーだった。

 

同様にAmazonのテクニカルサポートに連絡を入れると、むしろ相手の方に「注意喚起する」と頼もしい返事が頂けた。

 

ひとまず妻も、取り合わない方向で販売を続けることにしたのだが、ここからが、僕たち一家にとっての試練の始まりとなった。

 

Amazonによる注意喚起はまるで役に立たず、僕のセラーセントラルには、連日のように赤い旗が立った。

 

ついに、最も恐れていた顧客からのクレームが入り、Amazonから至急対処するよう、通告が届いたのだ。

 

そして、商品の販売を止められてしまった。

 

 

中国人セラーの嫌がらせ Amazonビジネスの穴

Amazonは「カスタマーファースト」という理念のもとに、顧客を全面的に保護する立場をとっており、こうなると、手のひらを反すように、どこまでもセラーに冷たい態度に変わる。

 

初めてついた評価は「1」。

 

しかも販売された商品は、返品されているらしい。

 

アカウントに傷がつきまくると、「カート」の獲得もおぼつかず、最悪の場合は永遠にAmazonでの販売権利をはく奪されてしまうのだ。

 

「アカウント停止」という、世にも恐ろしい仕打ちだ。

 

緊張で口が乾く。

 

恐る恐る、クレームの内容を確かめてみた僕と妻は、その文面に驚愕した。

 

「違う商品きた。破れていたなぜか。これは人は駄目で、はじめてひどい」

 

明らかに無茶苦茶な日本語だ。

 

すぐにピンときた。

 

中国人セラーの仲間が顧客になりすまし、悪質な嫌がらせを始めたのだ。

 

 

「なりすまし客」評価1の攻撃 追い込まれる“脱サラ店舗” 

なりすましの客による嫌がらせにAmazonも打つ手がない。僕は再び無職の身に戻った

連日のように続く「なりすまし客」からのクレームと返品――。

 

評価がマイナスにまで下がり、もはや「カート」も獲得できず、売り上げも完全にストップしてしまった。

 

カスタマーサポートに対応を求めても、「打つ手がない」のが実情だった。

 

挙句の果てには、「相乗りするから悪い」と言わんばかりにこちらを責める担当者まで出る始末だ。

 

相乗りは値下げ競争を促す仕組みとして、Amazonが決めたルールであるはずなのに…。

 

「写真と異なる商品が届いた」というクレームには、いくら状況証拠を示したところで、Amazonからは「罪人扱い」された。

 

もちろん、違う商品が届いたという事実など一切ないのだが、「こちらの品質管理に問題がある」として、再発防止策まで提出されられる羽目になった。

 

これに応じねば、アカウント停止措置も辞さないというのだ。

 

ただある意味で、最初に迎えた試練は、長い目で見ると最高の勉強材料にもなる。

 

僕は、いきなり最悪の事態に直面したことで、「防衛策の必要性」を痛感することができたのだ。

 

連日、セラーセントラルとのやり取りを経て、なりすましのクレームを消すことができ、逆に中国人セラ―の仲間と思われる人物のアカウントは抹消された。

 

 

Amazon撤退 再び無職に

ところが「違う商品が届いた」というクレームに関しては、いくら資料を提出したところで、最後まで、こちらの言い分が認められることはなかった。

 

このまま嫌がらせが続けば、本当にアカウントを抹消されてしまう。

 

一カ月弱で半数以上の商品は売却できたものの、マイナス評価のセラーからモノを購入する酔狂な顧客はいない。

 

かくして、僕ら一家が希望を託した最初の店舗は、中国人セラーによる悪質な嫌がらせによって、事実上、つぶされてしまったのだ。

 

僕は精神的に参ってしまった。

 

防衛策を講じるにも、一人ですべてを行うにも、限界があるのだ。

 

僕はアカウント停止を食らう前に、一から出直すことにした。

 

この時ばかりは、さすがの僕もひどく落ち込んだ。