プーログ

ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

小学生と無職父の「親子空手」謎の老人現る!達人か?震撼の昔話も

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こんにちは。

 

プーです。

 

プーログ再開以来、親子空手の話題をお届けしておりますが、今回は少し脱線し、プー姉弟の厳しい稽古を見物する「ギャラリー」の方々にスポットを当てました。

 

話の本流とはあまり関係ありませんが、ギャラリーの中に一人、インパクトが強烈な方がいたため、「いつか書きたい」と思っていました。

 

人物の特定を防ぐため、事実関係を少しぼかしている部分もありますが、そのあたりは笑って許して頂ければ幸いです。

 

では、どうぞ。

 

猛稽古にギャラリーも

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人づてに聞いた話では「〇〇公園に夜な夜な空手親子が出没する」と僕らの稽古が近所でも話題になっているそうだ。

 

実際、トーナメント制覇に向けた2か月間の練習量は、昇級審査のそれとは比較にならない。

 

手作りの水袋もAmazonで購入した安物のミットも、激しい蹴り込み練習の末に千切れ飛んだ。

 

柔らかい素材で組手に適した100円ショップのサンダルは、軸足の回転時に底が擦り切れ、すでに3足目になる。

 

使い込んだ防具は大量の汗を吸って黒ずみが落ちず、「ペットショップの匂いがしている」(息子談)くらいだ。

 

 

そんな激しい稽古とあって、時折家路に急ぐ通行人が足を止め、修行のようすを見物していくことがある。

 

基本的に皆、マナーの良い人ばかりだが、なかには辟易させられるようなギャラリーもいる。

 

 

とくに、おげれつな話題で大騒ぎする不良少年には困ったものだ。

 

(マンガのような)空手の稽古に興味を持ってもらうのはいいが、すくなくとも、子どもの前での「下品な会話」は慎んでもらいたい

 

小さな子どもにおかしな質問をぶつけられたところで、父としては説明に困るばかりで、対処のすべは「何も知らぬふりを決め込む」以外にないのである。

 

 

また動画撮影されたり、SNSに投稿されたりすることもあるようだが、時代が時代だけに、そちらはあまり気にしないようにしている。

 

 

そんな感じで、子どもと空手の練習をしていると色々なタイプのギャラリーが現れるのだが、道着姿の不気味な親子に接触するような人はあまりいない

 

ところが過去に一人だけ、プー一家のそばまで近づき、接触を図ってきた奇特な人がいた。

 

空手の達人然とした「謎の老人」である

 

その正体はいまも神秘のベールに包まれたままだ。

老人の覇気

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知らない人に、突然すぐそばでじっとみつめられると、得体の知れない恐怖を感じるものだ。

 

煙草の煙をくゆらせるくだんの老人は、街灯を背に、神秘的なシルエットを浮かび上がせていた

 

ひょっとすると、これは幾度も死線を超えた者だけが放つ覇気の一種かもしれない。

 

そんな、そこはかとない恐ろしさだ。

 

子供の前でタバコを吸うのはやめて欲しい」という父としての繊細な気持ちも働いたのだが、この暗黒街の住人にそんな世間の常識は通用しない。

 

謎の老人は「姉弟組手」が終わるまでじっと待ち、口を開いた。

 

 

君も空手家か?

 

 

男の銀河

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老人が話しかけた相手は、子どもでなく僕の方だった。

 

以前書いた通り、僕には空手の経験がない。(⇒詳細は連載第一回目

 

だがあろうことか、「ポジショニングが甘い」だの「そうだ、そのフックだ」だの、熱を帯びた僕の指導がこの「本物の男」にすべて見られてしまっている。

 

子どもの手前もあり、いまさら「違う」とはいえない。

 

 

父:「…はい、一応」

老人:「そうだと思った

 

 

齢(よわい)70といったところか、どこか憂いのある老人は目を細め、軽くうなづいてみせた。

 

 

老人:「そうだと思った

 

 

なぜか老人は、同じ言葉を2度繰り返した。

 

どことなく自分と同じ匂いがするのは、気のせいだろうか。

 

とにかく僕は、着ている道着が柔道着だとばれないか、気が気ではなかったのだが、そんな不安をよそに謎の老人は自身の過去を語り出した。

麗しのバナナ御殿

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老人の口から発せられる自身のエピソードは、我が耳を疑うほどインパクトが強く、驚きを禁じ得ない内容ばかりだった。

 

空手に明け暮れた若かりし時代の逸話、返還前の沖縄で複数の米兵を打ち負かした武勇伝、そして、銃を持つヤクザを相手に戦った暗黒時代の秘話…。

 

空手の話題はともかく、「バナナの貿易で屋敷を建てた」という話から雲行きが怪しくなり、その大部分が法螺話(ほらばなし)だと気づくまでに、そう時間はかからなかった。

 

「ヤクザに撃たれた銃創」だと説明する腕の傷は、どうみてもただの火傷だ

 

「それ火傷ですよね?」と問いただしても、「いや、銃で撃たれた傷だ」と譲らない。

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そもそも、柔道着と空手着の見分けがつかない時点で怪しいものだ。

 

息子だけが「いっぱい血が出たの?」と老人の法螺話を真に受けるのであった。

 

 

※次回は、「親子空手の壁」をテーマにお届けします。

 

本ブログの「親子空手編」を始めてお読みになられた方は、よろしければ連載1回目からお読みください。第一回はこちら

 

記事10本分ほどです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。