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ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

硬いパンチ武器に息子が初試合【無職父の我流空手】試される実力

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こんにちは。

プーです。

 

今回は、空手トーナメント初出場となる息子の試合もようをお届けします。

 

半年に及ぶ厳しい稽古を通じ、飛躍的に強くなった我が子ですが、人生初となるトーナメント試合だけに、優勝の可能性は未知数です。

 

実際、思わぬところに大きな落とし穴がありました

 

半年間、毎日練習に汗を流し、研鑽(けんさん)を積んできた我流空手は、優勝という形で実を結ぶのでしょうか。

 

では、ご覧ください。

 

前回までのあらすじ

「スポ根漫画」のような稽古に明け暮れるプー姉弟

空手経験のない無職の父指導のもと、メキメキと実力を付け、わずか4カ月で同門の初心者のなかでは無敵を誇る強さに

2人の成長はそこからさらに加速。

とくに娘は合同組手稽古会で男子を相手に圧倒的な強さをみせつけたほか、夏季特別稽古で王者を相手に変則型の上段蹴り「逆雷」を決める一幕も。

そんな2人が満を持してトーナメントに出場することになり、ついに弟の出番が回ってきた。

連載の初回はこちら プーログ2年ぶり再開|親子で空手に半年没頭|試合の結末は? - プーログ

武器は硬い質のパンチ

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息子の武器は「硬いパンチ」だ。

 

姉のような「重さ」はないが、彼のパンチを受けると石で殴られたような痛みを伴う。

 

最初に気が付いたのは、人間サンドバックとして直接、僕のボディーを叩かせたときだ。

 

硬い質感のパンチが存在するのは知っていたが、実際に味わうのは初めてだった。

 

 

その理由には諸説あるものの、実ははっきりしていない

 

師範は「神様からの授かり物」と表現する。

 

つまり、硬いパンチを放つハードパンチャーとしての資質は、鍛えたところで簡単に手に入るものではないわけだ。

初戦の相手は白帯

初戦の相手は白帯の子だった。

 

合同組手稽古会で対戦した最強のオレンジ帯「ザ・カラテ」のようなケースもある。(過去記事参照

 

相手が帯下であれ、油断はできない。

 

主審による「はじめ」の合図がこだまする。

 

先手を取ったのは息子の方で、いきなり相手の懐に飛び込む

 

パンチを上下に散らしながら、相手左サイドに飛び込み、セオリー通りに下段蹴りを放つ。

 

空手というより、キックボクシングの動きに近い。

 

これに対し、対戦相手の子が繰り出す突きはたどたどしく、空を切るばかりだ。

 

 

ワンサイドゲームのような展開に、相手の子が少し気の毒に思えた。

 

それでも息子に手加減する余裕はなく、試合が終わるまで、アウトレンジ(敵の有効射程圏外)から執拗に攻撃を続けた。

 

 

結果、3ー0の判定で息子に軍配が上がる

 

めぐり合わせ次第では初戦敗退もあり得るだけに、正直、ホッとした。

 

父:「まずは一勝、よく頑張ったね。でも油断しちゃだめだよ」

娘:「よかった。(お姉ちゃんとしても弟が勝てて)ホッとした」

 

試合後、初勝利を飾った息子を抱きしめ、娘とともにねぎらいの言葉をかけていると、師範代から声がかった。

 

師範代:「相手選手に、挨拶にいきましょうか」

 

試合が終わった後、勝者側から対戦相手に挨拶しに行くのが習わしのようだ

 

いざ息子と戦った相手のもとに向かうと、意外なことに相手の子はケロッとしていた

 

本当に「あ、どうも」ぐらいの軽いノリだ。

 

性格の違いだろうか。


もしくは「今回は試合を経験するための出場で、勝敗は二の次」といったところかもしれない。

 

 

ともあれ、息子は初陣で勝利を収め、トーナメント制覇へ順調な滑り出しをみせた。

 

2回戦はシード選手と

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2回戦は「シード」の子との対戦に。

 

相手は息子と同じオレンジ帯だが、背丈は少し小さい。

 

少なくとも「強さ」を考慮してのシードではなさそうだ。

 

 

試合内容は初戦と変わらず、アウトレンジ(相手の攻撃射程圏外)からの攻めが中心で、終始相手を圧倒していた。

 

初戦に比べると動きもよくなり、表情は自信に満ち溢れている。

 

作戦通り蹴り主体の攻めだが、時折繰り出すパンチにも切れがある。

 

石橋を壊れるまで叩く心配性の息子も、ここにきてようやく不安を払拭できたようだ。

 

 

結果、初戦と同じ3ー0の判定で息子に軍配が上がる

 

 

試合を終えた息子をハイタッチで迎え、彼の確かな強さを確信する。

 

このままいけば、優勝も夢ではない。

 

 

ただこれまでの2試合をみて、手放しに喜べぬ、喉に小骨が刺さったような「気持ち悪さ」があった。

 

得体の知れない不安に、モヤモヤした気持ち――。

 

 

実は2試合目の途中で、うっすらとだが、そのモヤモヤの正体に気づいていた。

 

練習を積んだ上段蹴りで一度も「技あり」をとっていないことだ

 

 

次回に続く。