プーログ

ジャーナリストから転身 40代妻子持ちが自由に生きてみた

小学生姉弟の空手道「7段飛ばし」の昇級へ|無職の父自ら人間サンドバックに

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こんにちは。

 

プーです。

 

今回は、プー姉弟の空手入門から3か月後を描いた「昇級審査編」の続きをお届けします。

 

昇級審査まであと1カ月に迫るころ。

 

娘からもたらされた「ある情報」をトリガーに、プー師弟は練習内容を一気に過激化しました。

 

「ある情報」とは何か、そして、過酷な練習内容とはいったいどんなものだったのでしょうか。

 

ではさっそく、みてまいりましょう。

 

黒帯と家計

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覚悟を決めた武士(もののふ)だけが目指す、遠く険しい道のり――。

 

そのゴールに待つのは、いつの時代も眩しい光を放つ「黒帯」だ。

 

緑帯や黄帯など、同じサテン生地でもブラックベルトの風格は段違いだ。

 

有段者にしか許されぬこの帯を一度腰に巻けば、すべての荒くれ者が道をあけ、ひれ伏したとされる民明書房:古代日本にみるブラックベルトの威光より

 

また他の帯よりも香りが良く、値段も若干高いとされる。

 

 

そんなブラックベルトをめぐって、一人の男がある決意の淵に立っていた。

 

此の男、目から殺気に似た鈍い光を放つも、瞳の奥に愛弟子の行く末を案じる優しさを宿している。

 

2人の弟子を抱える空手の達人風未経験者、プーである。

 

色帯が欲しいなら、この1カ月間、お前たちには地獄をくぐってもらう

 

重厚感を出し切れぬ甲高い声で、愛弟子たちに「地獄稽古」の幕開けを宣言するのだった。

 

家計にやさしい「飛び級

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さて、話を本線に復帰させますが、一家の大黒柱であったプーが無計画に会社を辞めてしまったせいで、我が家はいまも貧乏生活を余儀なくされています。

 

後日別記事で明らかにしますが、とくに当時は、妻も経営者から不当な解雇宣告を受けて職を失い、家計は文字通り火の車でした。

 

 

そんな苦しい状況下で、娘が「耳よりの情報」を持ち帰ってきました。

 

それが、審査費用の負担軽減に役立つ「飛び級」という制度の存在です。

 

組手の内容次第では「一息に2段、3段のステップアップが叶う」といいます。

 

吹けば飛ぶような我が家の家計にかんがみて、これを逃さぬ手はありません。

 

人間サンドバックの恐怖

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人の身体にパンチを打つというのは、とても怖いことです。

 

虫も殺せぬ姉弟となると、なおさらです。

 

組手では、まずこれを克服する必要がありました。

 

その具体的な方法として、僕がとったのが「人間サンドバック」です。

 

どこにどう当てれば効果的なのか、また、ひとに打撃を加える感触がいかなるものか。

 

言葉では伝わらないそうした感覚を覚えさせるのも狙いです。

 

 

父:「さあ、お父さんを殴りなさい!」

 

娘:「でも…大丈夫なの?」

 

父:「いいから、お腹を強く打つんだ。さあ、父を超えていけ!」

 

娘:「分かった、じゃあいくよ!シッ!」

 

父:「くっ!」

 

娘:「シッ!」

 

父:「痛っ!」

 

娘の打撃は日を追うごとに「キッス」、「タッチ」、「ノック」、「スパンキング」へと威力を増し、「ハンマーブロー」が打てるてるようになったころ、僕の第五腰椎が悲鳴を上げ、持病のヘルニアが悪化しました

 

 

かくして、父が捨て身の覚悟で臨んだ「人間サンドバック」は、1週間ほどで鳴りを潜めました。

 

が、その後も「前人未到の昇級7段飛ばし」に向けた猛稽古は続きます。

 

明王の異名を持つ友人のトレーナーも特訓に加わり、毎日2時間以上、稽古に明け暮れました。

 

内容としては、前々回紹介した練習メニューに、姉弟での組手やカウンターの取り合い、ミット打ちなどを加えた形。

 

とくに、上段蹴りを左右連続で100本蹴る練習は苛烈を極めます

 

とくに激辛なのが、師である僕からの「駄目出し」で、カウントが1から戻るという無情なルールにしました。

 

あまりのキツさに兄弟そろって涙を流し、ときに獣のような雄たけびをあげながら、Amazonで買った安物のミットを打ち続けました。

 

 

子どもの攻撃とはいえ、毎晩安物のミットで受けていると、こちらも無事では済みません

 

水滴が石に穴を穿つが如く、ダメージは蓄積されるもので、激しい痛みに見舞われた両指は整形外科で「手根管症候群」と診断されました。

 

ヘルニアの影響で、足の親指も痺れっぱなしです。

 

毎晩親子で燃えるような情熱を注いだ空手の稽古。

子供たちはぶっちぎりの飛び級を目指し、父は審査費用の負担軽減を切望しながら、ついに昇級審査の日を迎えました。

 

 

次回「昇級審査編最終回」に続く。

 

小学生姉弟 いざ昇級審査へ|厳父と「地獄空手」の入口に立つ

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こんにちは。

 

プーです。

 

今回は、親子での空手修行シリーズ第4弾「昇級審査編(1)」です。

 

父指導のもと、子供たちがフルコンタクト空手の修行を始めてから3カ月がたち、ついに実戦でその実力を試すときがきました。

 

公園のブランコに吊るした水袋を打つ「打撃訓練」や倒木を素早いステップでまたぐ「スピード訓練」など、マンガの見過ぎから生まれた独自の稽古は果たして通用するのでしょうか。

 

下手をすれば「フルボッコ」にされて終わりかねません。

 

ロマンの空手が神秘のベールを脱ぐ――。

 

では早速、ご紹介してまいります。

 

黒帯に至る険しい道のり

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燦然(さんぜん)と輝く「ブラックベルト」に至るまでの道のりは、とても長い。

 

無級の白帯を振り出しに「オレンジ」、「小豆」、「藤」、「紫」、「水色」、「青」、「黄色」、「黄緑」、「緑」、「茶」と10の階段を上り詰めねばならないのだ(※流派によって色の順や階級の数は異なる)。

 

ベルトのカラーがこの特別な色に近づくに連れて難易度は高まり、険しい道を進むと決めた「武士(もののふ)」たちの身体から、幾筋もの血と汗と涙が流れ落ちる。

 

ブラックベルトが放つ「魔の吸引力」に涙するのは、過酷な鍛錬に励む戦士たちだけではない。

 

その家族もまた、「巨額の審査費用」という砂嵐に巻き込まれることになるのだ

 

 

一度の審査にかかる費用は、実に5000円にも及ぶ。

 

もし2人姉弟の場合、5000円の倍額が一度に請求される計算だ。

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この空手地獄は今後10回にわたり、吹けば飛ぶような我が家の家計を直撃する

 

 

一度発車すれば、引き返すことができない片道切符。

 

その恐ろしさゆえ、僕は子供たちへの説得を試みた。

 

「お前たち、空手は帯でするもんじゃない」。

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レーザービームのような父の眼光に怖気づいたのか。

 

娘は母のスマホを片手に寝転がったまま、「審査会出たーい」と揺るがぬ己の意志を伝えた。

 

愛弟子たちは師のあずかり知らぬところで、すでに昇級審査に挑む決意を固めていたのだった。

 

合否は組手の内容次第

というわけで2人の愛弟子は、父とのロマンあふれる修行を通じて「上帯」を目指すことになったのですが、昇級の合否は、審査会での「基本稽古」「型」「所作」「組手」などを通じて判定されます。

 

このなかで、とくに重要なのは組手の内容

 

(僕の指導では)自然石に見立てた粘土を粉砕する訓練はあっても、組手の練習は手薄です。

 

週に一度通う道場で組手の稽古をしているようですが、コロナの影響で保護者の見学が禁止されているため、僕が2人の組手を見たのは体験入門時の一度限りでした

 

入門時にみたのが最初で最後

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虫も殺せぬ性格の姉弟です。

 

入門当時の2人にまともな組手を期待しても無駄というものです。

 

実際、コントのような有様でした。

 

遠慮がちな娘の正拳突きは「キッス」程度、線の細い息子の蹴りは「米粒をついばむ小鳥」ほどの威力しかありません。

 

とどめとばかりに、出来もしない後ろ回し蹴りを繰り出す始末です。

 

 

いまでこそ過酷な稽古を2人に課す僕ですが、当時は小太りの強そうな男の子を見て「うちの子を本気で蹴ったりしないだろうな」など、本末転倒な心配をしたものです。

 

 

もちろん、実力が未知数であるというのは、当の本人も同じです。

 

「ねえ、僕本当に強くなった?勝てる?」と不安を口にする息子に対し、僕は「お前はいま、自分を信じる心の強さが試されている」と煙に巻くのが精いっぱいでした。

 

目標に照準 閃光のひらめき

そんなこんなで、昇級審査まであと1か月に迫るころ。

 

道場から目を輝かせながら帰った娘が、昇級にまつわる「ある話」を持ち帰りました。

 

その話に僕は膝を打ち、「目指すなら、これだ!」と叫びました。

 

姉弟そろって闘志をみなぎらせ、いつになくやる気になっています。

 

いいかお前ら、今日からステージが変わる。審査会まで残り1カ月、より稽古になるが覚悟しておけ

 

次回に続く。

 

 

※話が脱線し過ぎたせいで、少し長くなりましたが、最後までお読みいただいたことに感謝申し上げます。

 

 

 

マンガの見過ぎ世代が放つ|子どもと空手の猛特訓

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こんにちは。

 

プーです。

 

今回は、プー親子空手シリーズ第三弾「猛稽古編」です。

 

入門時の練習風景を中心にまとめていきたいと思います。

 

明王の手によるシュールな運動器具も登場しますが、我々親子の取り組み姿勢は真剣そのものです。

 

ギャラリーの目を気にせず、強くなる一心で稽古に励んできました。

 

では早速、ご紹介してまいります。

 

夜な夜な出没する空手親子

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「せいっ、せいっ!」。

 

民家から少し離れた広い公園で、夜ごと激しい空手の稽古に打ち込む子どもの姿。

 

父が無理して買った真新しい道着に身を包み、一心不乱に正拳を繰り出す小学生の男女2人。

 

プー家の長女とその弟である。

 

 

額に汗する児童2人の一挙手一投足に、師である父の檄(げき)が飛ぶ。

 

彼が腰に巻いているのは、もちろん「ブラックベルト」だ。

 

 

「おい、もっと脇をしめろ!」

 

「まだ腰が高い!」

 

「何度言えば分かる、空手は距離だ!」――。

 

 

腕組みする師の背中には、戦歴の猛者を彷彿させるオーラが漂う。

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眼光も鋭い。

 

だが実は、彼にはまったく空手の経験がなかった。

 

着古した道着も、色あせた黒帯も、高校時代に使っていた柔道着である。

 

稽古のメニュー

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冒頭は、読み物風にまとめてみました。

 

さて、今回のテーマである稽古のメニューですが、ずばり、「空手の雰囲気」を重視したものばかりです。

  • ブランコに吊るした水袋を叩く打撃訓練
  • 片足で立ち東西南北に向きを変えるバランス訓練
  • 素早いステップで倒木を左右にまたぐスピード訓練
  • 玩具の銃で飛ばしたスポンジの玉をかわす回避訓練
  • 父が妄想の中で編み出した奥義を授けるド級一子相伝秘奥義訓練
  • その他

理にかなっているかはさておき、ドラマチックな空手への衝動を満たすには、十分な内容です。

 

空手を始めた当初はアスレチックなどにも出かけ、忍者のような修行も試みました。

 

そんなスタイルの稽古は子どもの食いつきが良く、師と弟子をロマンの世界に誘います。

 

 

ただし、「空手の試合」を想定した場合、また別の練習が必要になるのも事実です。

 

精神修養を目的にする以上、格好だけでは駄目」というのが妻の主張で、もっともな意見といえるでしょう。

 

 

空手経験のない僕が試合にとっては、そこが一番痛いところです。

 

フルコンタクト空手の試合をYouTubeで研究したものの、映像だけで練習メニューを決めたり、試合の戦略を組み立てたりするのは、未経験者にとっては至難の業と言わざるを得ません。

 

実際、半年後に出場したトーナメント試合では、試合に対する中途半端な理解が大きな仇(あだ)になりました

 

アドバイザー考案の強化器具

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夜な夜な胡散臭い空手修行に打ち込むプー家族ですが、ときどき、スーパーアドバイザーとしてスポーツクラブを運営する友人も参加してくれます。

 

これまでに、我が子が彼から授かったのは「身体操作」のノウハウと、独自開発の特殊なトレーニング器具「BMM」(バウンディング・メテオ・メット)です。

 

冒頭の写真が、その実物です。

 

ヘルメットの頭頂部から乱暴に伸びるゴム紐の先に、柔らかいボールを括りつけたもので、これをリズムよくパンチで打ち返すことで「動体視力を高めることができる」のだとか。

 

 

この発明王は単なる変人ではなく、実はとても優秀な(あるスポーツの)指導者で、教え子のなかには世界を舞台に活躍する有名なアスリートに育った子もいます。

 

 

ただ、発明王はときどき暴走することがあり、先日も「複数の人形がランダムに稼働するシステムを導入しようと思う」などの相談を受けました。

 

詳しい聞くと、ベルトコンベヤーでマネキンを動かす仕組みで、ジャッキーチェン主演映画「少林寺木人拳」を彷彿させる大型の訓練装置を想定しているようです。

 

製作費には、500万円かかるといいます。

 

しっかり見積もりをとった大まじめな計画ですが、僕は「やめた方が良い」と思ったままを伝えました。

 

修行から3か月 実力は?

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娘の「猫パンチ」と、息子の「サッカーボールキック」が解消されたころ、我が弟子たちはいよいよ「昇級」を意識しはじめました。

 

練習を始めて3か月、いつまでも「最下級の白帯」ではカッコ悪いというわけです。

 

子供たちが通う道場の昇級審査は、年2回。

 

一回5千円✖2もします

 

「ブラックベルト」に至るまでには10階級ほどの階段を上らねばならず、500万円の木人拳ほどとはいかぬまでも、恐ろしい金額になります。

 

お前たちは帯で空手をするのか」と分かった風な諭し方をしても、ドケチな父の下心はきっと透けて見えています。

 

 

昇級審査ともうひとつ、避けて通れないのが件の「試合」です。

 

約3か月に及ぶ「雰囲気重視の練習」で、子供たちがどれだけ強くなったのかは、この時点で完全に未知数です。

 

 

確かに、シュールな空手を通じ、親子でのかけがえのない時間が共有できました。

 

親子で過ごす時間のなかでも、密度の濃さでいえば、小学生あたりがピークです

 

ただ、時間をかけて頑張った分だけ2人が強くなれたかは、ふたを開けてみなければ分かりません。

 

 

かくして、帯び色のステップアップをかけた昇級審査は、子供たちの実力を試す実践の初舞台になりました。

 

そこで父がみたのは、驚きの光景でした。

 

次回に続く。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

空手経験のない無職の父が徹底指導|親子で東洋の神秘を追う

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こんにちは。

 

プーです。

 

前回は半年前から親子で空手を始めた話題についてご紹介しましたが、今回はその続きです。

 

トーナメント出場の結果をお伝えする前に、親子で空手を始めた経緯について触れておきたい思います。

 

きっかけは映画

溺愛し過ぎて少し甘やかしたせいか、我が子はとても軟弱な子に育ってしまいました。

 

とくに下の子は「寒いから外に出たくない」だの、「臭いトイレには行きたくない」だの、とにかくわがままです。

 

2年生になっても、「我慢」というものを覚える気配は一切ありません。

 

 

そんな彼がテレビである映画に出会い、虜になりました。

 

不朽の名作「ベスト・キッド」です。

 

空手とオリエンタルマジック

ベスト・キッドは僕も大好きだったアメリカ映画で、米国人の若者「ダニエル・ラルーソー」が空手の修行を通じて成長していく様を描いたストーリー。

 

パット・モリタ氏演じる空手の師匠「ミヤギさん」(宮城成義)こそが真の主役ともいえ、僕の中にある「理想の師匠像」を完璧なまでに演じ切っています。

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パット・モリタ氏(出典:Wikipedia

ぶっきらぼうに弟子に雑用を与え続けるミヤギさんですが、その実すべてが空手の修行を意図していたところなどが、もう最高です。

 

ちなみにパット・モリタ氏は、ベスト・キッドのほかにも「世界崩壊の序曲」というパニック映画にも出演していますが、こちらはあまりおすすめできません。

 

モリタ氏は同映画で「サム」という役を演じているのですが、噴火口にスローモーションで落下していく姿は見るに堪えず、当時の僕は激しく戸惑うばかりでした。

 

山籠もり断念、道場の門をたたく

山籠もりのイラスト

少し話が脱線しましたが、血は争えないもので、息子もこの映画にドハマりし、空手を学ばせることになりました。

 

僕ら世代で空手と言えば、何といっても「山籠(やまご)もり」です。

 

滝行などをもって、まず空手の精神を鍛えようとしましたが、「クマが怖い」「虫が出る」などの理由で息子の強い抵抗にあい、あえなく断念。

 

そこで、近くの空手道場に入門することになったわけですが、無料体験会に同伴した上の娘も「私もやりたい」と駄々をこね、結局、姉弟で空手を始めることになりました。

 

道着や防具を買いそろえるとなると、(貧乏生活を余儀なくされる我が家にとっては)とてつもない出費です

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とはいえ、娘が自分から何かを「やりたい」と言い出すのは初めてのことだけに、無下にするわけにもいきません。

 

こうした経緯で、無理くり用立てたお金を払って週1回、我が子を道場に通わせることにしたのですが、残りの6日は空手経験のない父が指導に当たります。

 

近所でも噂になる親子の空手練習は、道場のそれを超えるほど過酷です。

 

眼光の鋭い謎の老人が幾人も現れたり、隠れて動画撮影する人が出現したり、意図せぬところで周囲からの関心を誘っているようです。

 

この続きは次回の講釈で。

 

練習風景と大会結果などについて執筆する予定です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

プーログ2年ぶり再開|親子で空手に半年没頭|試合の結末は?

我が子が放つ空手の上段蹴り

皆さま大変ご無沙汰しております。

 

本ブログの執筆者、プーです。

 

いろいろと行き詰まりを感じる今日この頃、原点回帰を念頭に、久しぶりにプーログを書いてみることにしました。

 

一年以上更新をお休みしていましたが、この間、とにかく色んなことがありました。

 

とても苦しい出来事から薄気味悪い事件まで、字にすると面白い話題も少なくありません。

 

が、まずは最近の話題からご紹介したいと思います。

 

半年前に親子で始めた厳しい空手の修行とトーナメント出場に至る話題です。

 

父から師へ

空手の師

僕が脱サラしてから、かれこれ4年以上の月日が流れました。

 

当時ピカピカの一年生だった上の娘はもう10歳。

 

幼稚園から逃げ出す騒ぎを起こした息子は7歳になりました。

 

以前プーログで、脱サラで得た最高の宝は「家族との時間」と書いたことがありましたが、いまもその思いは変わっていません。

 

ときに「頼れるアニキ」として、ときに「タフな友」として、二人の成長をすぐそばで見守るしあわせを日々噛みしめています。

 

 

そんな「我が子LOVE」な僕ですが、ここにきてさらに一つ、親子の間柄に「空手の師弟」という関係性が増えました。

 

「最近、夜な夜な近く公園に、おかしな空手の親子が出没するらしい」と友人が噂していましたが、実はその噂の親子こそ、我らプー親子なのです

 

空手のロマンを追う

僕は空手に対し、技術的なことよりもロマンを大切にしています。

 

とくに、「師匠像」や「練習のスタイル」には強いこだわりがあります。

 

師には仙人のような空気感と星一徹のような厳格さが、そして稽古には「急がば回れ」を地で行く非効率さが大切です。

 

 

そんな視点で紡がれる日々の稽古だけに、ギャラリーの目には、滑稽に映るに違いありません。

 

ご近所で噂が立つぐらいだから、うさん臭さもひとしおです

 

昨夜の稽古では、面白がって動画を撮影する人の姿をみかけました。

 

ほんとうに、世間の人の目は節穴ではないと感心します。

 

達人然と鋭い眼光で子に指示を飛ばす僕ですが、ほんとうは、フルコンタクト空手など一度もしたことがありません。

 

雰囲気先行型のスタイルを貫いているのもそのためです。

 

 

とはいえ、練習に取り組む僕らの姿勢は真剣そのもので、「おふざけ」の要素は皆無です。

 

小5の娘も小2の息子も、修行のあまりの厳しさに涙し、叫び声をあげることさえあります。

 

やっていること自体が奇妙なだけに、下手をすると児童虐待の疑いで通報されかねません。

 

いよいよ本番、試合の大舞台へ

そんなこんなで、プー親子が空手を始めて半年あまりが経ち、ついにトーナメント試合に出場することになりました。

 

親子が半年かけて向き合った修行の成果が試される場だけに、緊張の度合いも半端ではありません。

 

果たして、父考案の無駄に厳しい修行に明け暮れた結果やいかに‥‥。

 

 

次回以降、トーナメント出場までのプロセスについて、連載形式でまとめてまいります。

 

7段飛ばしをかけた昇級審査や異種格闘技戦、奥義の特訓など、すべてノンフィクションでお届けします。

 

 

※最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

子供も大人も冒険足りてますか?【40代脱サラ男の独り相撲】

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「トリック・オア・トリート!」

 

9月末、長女を含む3人の小学生が我が家に押し入り、パソコンとにらめっこを続ける僕に対し、「お菓子をよこせ、さもなくば…」と要求してきました。

 

全員、似たような魔女の衣装をまとった女の子です。

 

呼び鈴も押さずにドカドカと乗り込む勢いは、昭和のギャグ漫画さながら。

 

そもそもハロウィンは10月末だったはずですが、何の躊躇(ちゅうちょ)も疑いもなく、お菓子を求めてキラキラした眼差しを向けてきます。

 

さいわい、このとき僕は仕事をしていたので事なきを得ましたが、もし父の威厳が霧散するような「遊びの現場」を押さえられたいたならば…。

 

想像するだけでも、この不意打ちにはゾッとさせられます。

 

 

「はぁ~」と大きくため息をつきたいのをこらえ、ひとつずつ小袋に梱包されたチョコレート菓子「小枝」を差し出し、お引き取り願ったところで、ふと思いました。

 

子どもなんて、少々無神経でいる方がまともなのではないか――。

 

ドアのかぎを開け、プライバシーの一部を放棄してみると、案外、心地いいものです。

 

そんな大人の「心の隙」を子どもたちは決して見逃しません。

 

かくして、最近の我が家はテレビゲームに興じる「ちびっ子のたまり場」と化しつつあります。

 

 

僕らの過ごした少年時代

僕ら世代が過ごした少年時代は、危険がいっぱいの世界で、もう少し伸び伸びと生かされていたに違いありません。

 

おぞましいどぶ川でフナを取ったり、「プール用のビニールボート」で一級河川の横断に挑んだり。

 

そんなムチャぶりは僕に限ったことではなく、どぶ川でこけて赤痢にかかった女の子や、学校の裏山探索で野犬に噛まれた男の子、さらには、頭頂部でコマを回して3針縫った勇者までいました。

 

また幼稚園を脱獄し、隣町で発見されたちびっ子ギャングに至っては「新聞沙汰」にまでなっています。

 

我が子がそんな危険行為に挑むと想像すると、背筋が凍り付きそうです。

 

 

親が過保護に

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かくいう僕も含めて、最近の親は子どもを過保護にし過ぎる感があります。

 

危ないと感じた行為に逐一口を出し、自転車での遠乗りを禁じ、何事にも「お伺い」を立てさせたがる――。

 

妻がパート勤めする保育園でも、トイレの際に使用した「ティッシュの破片」が下半身に少し付着しているだけで「かゆみがでるといけないので、きちんと確認・除去してほしい」と強硬なクレームが入るのだとか。

 

きっと、リスク管理の定着や衛生観念の発達などを背景に、親が子どもの身の危険に過敏になっているのでしょう。

 

また子どもからしても、わざわざどぶ川で魚を取ったり、頭の上でコマを回したりしなくても、ほかにもっと楽しいことがたくさんあるに違いありません。

 

 

いい子ちゃんと人生のコク

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当然、個人差、地域差はあるのでしょうが、放任主義のなかで育った僕ら世代と違って、最近の子どもはすこぶる「いい子ちゃん」になっている気がしてなりません。

 

僕は過激でがさつな冒険のなかで、自信を深め、未来の可能性を感じながら、「人生のコク」を味わってきた口です。

 

断崖絶壁をよじ登って落ちそうになったり、数キロ先の遊園地まで自転車で遠乗りしたり、原っぱで焼き芋を焼いたり、人には言えない悪いことをしたり。

 

バスに乗って知らない街に行ったときには、危うく帰ってこられなくなるところでしたが、見知らぬお兄さんに「これで帰れ」と500円玉を頂き、余ったお金でうどんを食べたのを覚えています。

 

ロクな結果にならなかったとはいえ、どれもこれも、大切な少年時代の思い出です。

 

そんな素地があったからこそ、高校、大学の時分には、もっとスパイシーでディープな経験ができたのだと思います。

 

 

正直なところ、僕は悪たれよりも「いい子ちゃん」の方がずっと好きですが、親も子も「安全」を重視するがあまり、義務や競争などの外にある「あの味」を味わえないのは、あまりにももったいない気がします

 

 

大胆な行動に眠る人生の宝

もちろん、これは子供に限ったことではありません。

 

「子供も大人も、もっと冒険してもいいじゃない」と言いたいわけです。

 

日常をぶち破ろうとする衝動のなかには、緩やかな幸せとはまた別の味わいがあり、それこそかけがえのない「一生の宝」が眠っているかもしれません。

 

思い立ったが吉日。

 

ローンでキャンピングカーを買って、ずっと夢みたシチュエーションをかなえるもよし。

 

一攫千金を狙うのもよし。

 

会社を休んでチョモランマを登頂するもよし。

 

窮屈なサラリーマン生活にうんざりしてしまった僕にとっては、40代での冒険こそが、「未知なる味わいを残した最後のフロンティア」に映ったのかもしれません。

 

 

早速息子に提案してみた

というわけで、早速幼稚園に通う下の子に「山籠もり」を提案してみました。

 

僕:「お父さんと山にこもって修行をしよう。滝に打たれたり、キノコを採って食べたり。ドラゴンボール孫悟空みたいに強くなれるかもしれないよ」

 

息子:「え、行かなきゃだめ?怖いからやりたくないんだけど」

 

僕:「…」

 

息子:「ねえ、iPadみてもいい?」

 

 無理強いをしないのが、過保護な親のいいところ。

 

というわけで、一人でできる冒険のネタを考えてみることにします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

『不登校』の実態と支援のお仕事/40代脱サラ男が重い腰上げる

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2年ほど前、20年続けた会社をおもむろに辞め、自由な生き方を模索してきた僕ですが、この間、独自で収入源を確保する試みを続けてきました。

 

物販などをかじった時期もありますが、いまは家でひたすら原稿を書いています。

 

ただ、こうして自宅にこもってコソコソと記事を書くだけの日常を送っていると、外部の人と接する機会が極端に乏しくなり、視野もチャンスも人脈も、一向に広がらない状況に陥りがちに。

 

自堕落な生活がたたり、フットワークの軽さも完全に失ってしまいました。

 

半分引きこもりのような状況は、「楽でいい」という面もありますが、結構な苦痛を伴うのも事実です。

 

そこで、少し目先を変えて、今後の人生の糧になり、人様のお役にも立てるようなバイトがないか、少し調べてみることに。

 

そうしたなかでピンときたのが、今回のテーマ「不登校支援協力」というお仕事です。

 

週3回程度、1日3~6時間という条件も僕のライフスタイルに合っています。

 

仮に宝くじが当たった後でもやってみたい――。

 

そんなわけで、僕は圧迫骨折から復活した「重い腰」を上げ、早速、具体的な話を聞きにハローワークに出向きました。

 

今回はその顛末についてご報告します。

 

 

2人の子供が不登校

僕がこの仕事に強い興味を感じたきっかけは、最近、不登校の子を持つ妻の友人から聞いた話です。

 

妻の友人には2人の子供がいて、一人は中学生、もうひとりは小学生。

 

プライバシーの関係上、少しぼかして書きますが、いずれの子供もほぼ同時期に不登校になったそうです。

 

僕ら世代の言葉で言うと「登校拒否」というやつです。

 

 

中学生の子供は、友人とのトラブルが引き金になったようですが、小学生の子が不登校になった理由は曖昧ではっきりしません。

 

どうも「不安」や「コンプレックス」などにあるようですが、みずから命を絶とうとするほど、事態は深刻化しています。

 

相談に乗った妻が「そこでまで無理して学校に行かせる必要って本当にあるの?」と素朴な疑問をぶつけたところ、くだんの友人は「この言葉に救われた」と涙を流していました。

 

 

登校ありきの説得 行くも行かぬも地獄

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文部科学省が2017年度に実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(最新データ)によると、不登校にあえぐ小中学生は約14万人に上ります。

 

こんなに大勢の子供と親が、日々悶絶しているのには驚きました。

 

実際、不登校をテーマにするテレビ番組では、「登校ありき」の周囲の説得に苦しむ子どもの実態が浮き彫りになっていました。

 

また学者先生のまとめたレポートによると、不登校の理由は千差万別のようで、大きく分けると小学生は「不安」、中学生は「友人関係」に集中しているようでした。

 

最近では国としても「行きたくても心が付いてこない子供たち」の存在を認め、教育の機会を別枠で設ける方向に話が進んでいるそうです。

 

義務教育の「義務」というのも、ニュアンスとしては「親側に課せられた約束事」のようなもので、子供に等しく通学を強要することはなさそうです。

 

 

イレギュラーな人生経験

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僕は家庭環境こそ複雑ではありませんでしたが、「イレギュラーなところでの人生経験」は結構豊富です。

 

難病を患ったり、バングラディッシュで死にかけたり、20年勤めた会社を突然辞めてみたり、クラスでボッチになったり。

 

記者時代には、社会の内幕にある「明・暗」をたくさん見聞きしてきました。

 

「合法的な毒饅頭」も胸やけを起こすほど食べてきました。

 

こうして振り返ると、本当にロクな思い出がありませんが、人生プラスマイナスでバランスしているようで、結果的に「それなりに幸せな人生」を送っています。

 

ジグザグに生きてきた僕だからこそ、どこかで上手く波長が合えば、苦しむ子どもたちの理解者になれるかもなれない――。

 

そう考えて先日、久しぶりにハローワークへと足を運んだ次第です。

 

 

ハローワークで「好奇の目」

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当日、下の子が通う幼稚園のお休みと重なったこともあり、ハローワークには子連れで出向きました。

 

ハローワークでは珍しい「父子」とあって、皆がチラ見していきます。

 

周囲からた僕らは、とても不幸な親子に映っていたのかもしれません

 

 

僕:「ほら、早く『父ちゃんひもじいよぅ』と言いなさい」

 

息子:「嫌。それよりスマホ貸して。動画見ていい?」

 

 

妻と職を同時に失った人からすれば、こうした好奇の目は、きっと不快以外の何物でもないはずです。

 

「同情するなら金をくれ」

 

昔、そんな言葉が流行りましたが、多くの人のチラ見は、まさにそんな心境にさせられてしまいます。

 

とはいえ、僕も立場が変われば、父子でハローワークに訪ねてきた人に対して、そうした視線を送ってしまうかもしれません。 

 

 

この日の収穫は…

そんなとりとめもない思いを巡らせ、発券機から番号札を引き抜き、待つこと約10分――。

 

担当してくれたのは、奇しくも2年前にお世話になった方。

 

どうやら、僕のことを覚えていてくれたようでした。

 

迷子にならぬようにと、息子は相談カウンターに横付けされたパイプ椅子に座らされ、音声の消えた動画を大人しく見ています。

 

挨拶もそこそこに、僕は早速要件を切り出しました。

 

 

僕:「あの、不登校支援に協力するというお仕事があるようなのですが、少し詳細をお聞かせいただけませんか」

 

職員:「え、何ですかそれ…」

 

 

この手の仕事はまだ緒についたばかりのようで、認知度が低く、求人は地域全体でも数えるほどしかありません。

 

キーワード検索をかけてもらった結果、求人は民間からもあり、トータルで4件程度。

 

時給は900円~1000円程度と、最低賃金と同水準ですが、生活費の足しぐらいにはなりそうです。

 

ただ残念ながら、僕の住むエリアでの求人はみつかりませんでした。

 

 

自治体への問い合わせ

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今度はダメもとで、直接自治体に問い合わせてみることに。

 

体制面の話から時給の詳細に至るまで、くどくどと聞いてみて、ようやく「不登校支援への協力」というお仕事の輪郭をつかむことができました。

 

 

体制

お仕事の依頼主は、地域の教育委員会

 

僕が暮らす地域の場合、協力者は登録制になっていて、小中学校の要請に応じて派遣する仕組みになっています。

 

そのため、必ずお仕事が回ってくるとは限りません。

 

仕事の内容

お仕事の具体的な中身については、学校校側が決めているのだそう。

 

担当の教員や校長先生からの指示を受け、朝のお迎え、学校施設内での声掛けなどを行います。

 

ちなみに資格は不要で、勉強は専属の教員が教えるのだとか。

 

 

時給と求人

時給は900円程度と、やはり地域の最低賃金の水準。

 

どうひいき目にみても「割のいいバイト」ではありません。

 

登録者の数は現状6人で、これは過不足のないバランスの取れた状態だそう。

 

求人募集というルート以外にも、一部「学校側の推薦」で選ばれた方もいます。

 

また何年も続けるベテランの人もいれば、体調不良を理由に途中でやめてしまう人もあるそうです。

 

 

そして肝心の「新規登録」については、年度末に募集をかけるとのことで、残念ながら期待の「急募」はありませんでした…。

 

ただ、3月末にも募集が始まります。 

 

売り手市場のうちに

この1年、在宅ワーク固執気味になっていましたが、今回の一件で、ライフスタイルや自分の人生観などに応じて外の仕事を覗いてみるのもひとつの手だと感じました。

 

視野、人脈、チャンスが広げるのはもちろん、確実に得られる一定の収入が安心感を生むはずです。

 

2019年12月時点の有効求人倍率は全国ベースで1・6倍を超え、まだまだ高い水準。

 

売り手市場であるうちに、自分のスタイルに合ったレアな仕事を探しておくのも悪くなさそうです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。